政治の焦点

政治の焦点(第18話)

民主党と自由党の合併について


今から10年前私が衆議院に初当選した時、公明党は民主党の菅さんや自由党の小沢さん達と一緒に細川連立政権を組みました。しかし国民の期待の大きかった細川連立政権はわずか8ヶ月で崩壊。その後野党に下って小沢氏とも政権交代の可能な政党として新進党を発足させましたが、これもご承知のとおり96年の衆議院選後に解党致しました。

これらの経験に学ぶことは、異なる政党が連立を組む時はその政権での目標設定が具体的かつ明確であること、政党が合併する時は政党の理念や政策の一致が極めて重要であることです。公明党は細川政権や新進党の痛い経験から、国民生活の安定と改革を図るためには、やむを得ない選択として自民党との連立に踏み切りました。これは過去の失敗から学んだということです。

今回の民主党と自由党の合併についても、政党の理念や政策の一致という点は果たしてどうなるのか。単なる選挙互助会であってはならず、選挙が終わればまた離党してしまうのでは、国民の政党に対する信頼はさらに絶望的なものになってしまいます。

また与党になれば、たとえ国民に受けの悪い政策であっても、国全体の観点から批判を承知でやり抜かねばならない政策はあるものです(かつてのPKOや医療費の3割負担など)。私の過去の経験からすると民主党の一部にはそのような受けの悪い政策は絶対回避する人たちがいます。しかしこれでは政治家の責任はまっとうされず与党の資格は無いと言わざるを得ません。政権担当能力と言う点では、残念ながら自民党の方が一日の長があります。

民主党が発表したマニフェストについて、日本経団連の奥田碩会長(トヨタ)は、菅代表に対して「(消費者ではなく)供給者サイドに立っている印象を受ける」「庶民の気持ちを代弁することに意を用いるべきだ」と切っています。これでは自民党との対抗軸がはっきりしませんし、民主党の哲学がどこにあるのかまったく見えません。

むしろ消費者サイドに立って、庶民の気持ちを代弁してきた政党こそ公明党ではないでしょうか。また石原慎太郎東京都知事は、かつてテレビ番組の中で「日本の中で唯一存在意義があるのは公明党だけだ」と述べています。私は、一部のお金持ちや強い立場にある人には奉仕を説き、弱い立場にある人々には応援をして希望と挑戦の心を持ってもらえるような政治を実行していくのが、公明党の使命であると考えています。今回のマニフェストはそのような観点から創られたものです。次回は政党で最初に提案した公明党のマニフェストについて解説します。


つづく

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