政治の焦点

政治の焦点(第17話)

経済政策を考える(その5)


いよいよ今年の秋以降には衆議院選挙が想定されており、小泉内閣の総決算となる選挙になりますが、その最大の争点は何と言っても経済政策のあり方です。

小泉構造改革の中で唯一欠けているのは、抜本的な地方分権を活用した経済政策だと私は考えています。先日政府の地方分権改革推進会議が首相に提出する意見書原案が新聞報道されていましたが、税源の地方への委譲は先送りされる見通しであり、これが小泉構造改革に不足している点です。財源を地方に与え、その代わり歳出に責任を持たせれば、真に必要で無駄の無い、効果のある地方政策が実現すると考えます。

地方分権時代の象徴は何と言っても首都移転であろうと思います。東京の方々は反対される人が多いようですが、日本の歴史上新しい時代の到来はほとんど遷都とともに行われています。財政赤字を招き、土地の高騰と土木・建築業界を儲けさせるだけだとの批判もありますが、情報化時代にふさわしい遷都のあり方はもっと別なものになるでしょう。

たとえば、教育や科学、文化の分野は東京という政治の中心地で考えるよりも、京都のような街で思索するほうが良いのではないでしょうか。特に教育権は立法・司法・行政の三権とは独立した第四権とすべきとの提言もなされています。文部科学省や文化庁は京都にあるべきでしょう。それは国家全体のためにもなります。

中央省庁の再編も必要です。橋本内閣の時に現在の形になりましたが、国家の権限とは外交・防衛・金融などの一部で十分ではないでしょうか。それ以外は地方で自由に考えた方が創造的な経済が実現するでしょう。明治以来の強力な中央集権体制を覆し、地方分権体制を構築することが最大の経済政策であると確信しています。


つづく

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