政治の焦点

政治の焦点(第15話)

経済政策を考える(その4)


前回までの考察で明らかなように、現在のデフレを克服するには抜本的には小泉総理の言うように構造改革をやり切るより他ありません。自民党内の抵抗勢力や野党などが小泉非難を強めていますが、それは経済がよく解かっていないか、大衆迎合主義に陥って右往左往しているだけです。もちろん、金融緩和や為替政策、中小企業支援、失業対策や雇用創出策など国民の痛みを和らげる安全網の構築は不可欠です。

小泉総理も説明が上手くないことも事実です。最初に不良債権処理を強調しすぎた嫌いがあります。また、本格的な地方分権への着手が遅いと思われます。当面は銀行の増資が成功するかどうかが、景気回復の鍵となるでしょう。これによって銀行の自己資本率が回復し、産業界への資金の還流が始まるからです。経済学的には貨幣の流通速度が速くなり、物価下落(デフレ)が止まる可能性があります。インフレターゲット政策よりも効果がありそうです。

いずれにしても官民あげて知恵を絞り、前回指摘したような構造改革を着実に成し遂げてゆけば、必ず日本経済は良くなるものと確信しています。

つづく

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