![]() 21世紀は情報革命の進展によって、「個人」の存在が一段と大きくなるでしょう。ある意味で「組織から個人の時代へ」と言い表すこともできます。20世紀の日本社会は、組織の力が大変強い時代であったと言うことができるでしょう。また組織力と経済力も結びつくことが多くありました。「組織」になぜ力があったかというとそれはあらゆる情報が「組織」に集まるからです。なおかつ組織内の上位者ほど多くの情報をもち、下位の者に対して有利でありました。
しかし、21世紀を迎える今日、自分の運命もそして社会をも変えることができるのは、自分しかないということを再認識すべきです。それは他律ではなく、自律であるともいえます。真の個人主義を確立することが、21世紀の政治の任務です。 ![]() 21世紀は真の意味での個人主義が大切にされる時代でありますが、同時にそのような自律した個人がどのように社会を形成していくか、真の意味での「公」が問われる時代でもあります。もちろん「公」とは国家でも地方政府でもありません。定義の仕方が難しいのですが、「一人一人の個人が作り上げ、守っていくべき社会共通の利益」ということもできます。
私は、自由と民主主義を前提としながらも、21世紀の新しい政治理念とは「公明」であると思うのです。それは、自律した「個人」によって支えられる、新しい「公」の理念です。国家権力や組織を背景とした「公」ではないのです。その理念は、上から押し付ける理念内容ではなく、国民大衆が下から作り上げていくことに重要な意味があるのです。その過程こそが新しい「公」であると考えています。 次号に続く |