21世紀の政治理念とは何か(その5)


創造的人間の時代へ

日本という国の特徴のひとつは、同質性にあると言われています。良い点ももちろんあるのですが、その欠点は優れた才能を持つ人を認めようとせず、その足を引張り仲間はずれにすることです。閉塞感が蔓延しているこの日本にイノベーションをもたらすには個人の才能を開花させる土壌作り、時代的雰囲気が必要です。私は能力ある人に対する「いじめ」がはびこる現在のような悪しき社会主義の国ではなく、創造的な人間が大いに活躍できる社会をつくりたいと考えています。懐の大きな日本を目指したいと思います。

そのための重要なツールがITであると言えます。ITは個人が大企業や官庁と互角にわたりあうことを可能にしました。野球の世界では未だに金と権力のある巨人が未だに強いのですが、21世紀は金も権力もない個人が、知恵の力で十分幸福になることのできる時代としたい。たとえ障害のある人でも、社会に大きく貢献できる、そういう希望に満ちた日本をつくりたいと考えています。

20世紀は「戦争と革命の世紀」とも言われ、国家主義や共産主義などのイデオロギーのために人間が犠牲になった時代でした。来るべき21世紀は、それを逆転して「人間主義」の世紀としたい。ひとり一人の人間を最大限に尊重し、その可能性を開発していくことです。他人に対してそういう温かいこころをもって接する社会を作りたい。

21世紀が要求するものは、「創造的人間」です。もはや偏差値人間は二の次となりました。創造的人間の条件とは権力、資本、組織から自由であること、そして物事の道理を通して考え行動できる人です。それは権利主張のみの人を指すのではなく、社会に対する責務や貢献を果たす人です。これを「中道主義」と呼びます。人間主義は創造的人間を生み、中道主義につながるのです。

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