第13話  最近の推薦図書


第13話  最近の推薦図書

〜「アメリカは日本経済の復活を知っている」

浜田宏一(イェール大学名誉教授)著。講談社
〜安倍総理のブレーンである浜田先生が、デフレ脱却の道筋を示す。最新の金融理論をイロハから易しく解説。アベノミクスの理解には不可欠の書物。

〜「ユーロ危機と超円高恐慌」

岩田規久男(日銀副総裁)著。日経プレミアシリーズ149
〜デフレ・超円高からの脱却のための金融政策を理論的に学びたい人にはお薦め。依然としてくすぶるユーロ危機の本質についても明快に解説。


〜「薄桜記」

五味康祐著。新潮文庫
〜昨秋NHK・TVでドラマ化。原作は昭和33〜34年に書かれた時代小説の傑作。吉良上野介の付け人にやむなくさせられた丹下典膳は隻腕の剣客で、義士討ち入りに際して赤穂浪士に最も怖れられた人物。三河以来の旗本の家に生まれ、剣の腕も非凡な力量を持ちながら、つまらぬ男の欲望によって家庭を破壊されたうえに、武士道と封建制の呪縛から左腕を切り落とされて浪人に落ちぶれるという悲運に。しかしそのことが赤穂浪士の討ち入りの成否に大きな影響を与えることになる。人間の生き方を深く考えさせられる大人の小説。また有象無象を冠絶した悲壮な美しさを全編に漲らせた剣戟小説と評されている。


〜「職業としての政治」

マックス・ヴェーバー著。岩波文庫
〜選挙で当選するたびに繰り返し読み直してきた書物。「あらゆる政治行動の原動力は権力(暴力)である。政治は政治であって倫理ではない。そうである以上、この事実は政治の実践者に対して特別な倫理的要求をつきつけずにはいない。では政治に身を投ずる者のそなうべき資格と覚悟とは何か」がヴェーバーの痛烈な問題提起。
「政治にタッチする人間、すなわち手段としての権力と暴力性とに関係をもった者は悪魔の力と契約を結ぶものであること。さらに善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しはしばその逆が真実であること。・・・これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である」という著者の言葉が突き刺さる。




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