【2012/11/8 フジテレビ系(FNN)】「いい宣伝になった」発言 野党も田中大臣への追及の姿勢強める

 3大学の認可問題で、田中 真紀子文科相自身が政権の火種となっている。
「いい宣伝になった」との発言に、新たな批判が出ており、野党も追及の姿勢を強めている。

 「不認可」から、一転「認可」へ。

 迷走した新設大学認可問題で8日朝、3つの大学の新設について認可の決裁をした田中真紀子文部科学相は、午後、特例公債法案を審議する衆議院本会議に出席した。

 一連の騒動で疲れたのか本会議中は、目をつむっている姿が見られた。

 しかし、質問に立った野党議員からは、批判が相次いだ。

 公明・竹内 譲議員は「前代未聞の大混乱を招いた田中文科大臣の責任は極めて大きいと思います。野田総理は、どのように責任を取るおつもりですか」と述べた。

 これに対し、野田首相は「設置認可の見直しなどを通じて、大学の質の向上を図ってくことは、重要な課題であると考えており、教育改革の推進に取り組むことで、しっかりと責任を果たしてまいります」と述べた。

 さらに、自民党内からも批判が相次いだ。

 自民・大島前副総裁は「混乱を引き起こし、そして夕方にはそれを改めると。朝令暮改という言葉がありますが、わたしは『朝乱暮改』だと思います」と述べた。

 自民・林元防衛相は「田中3兄弟と言うそうですが。まず防衛大臣、そして法務大臣。(人事が)これだけ駄目なのは、どうしてだろうなと」と述べた。

 田中文科相に対し7日、問責決議案の提出を検討する考えを示した自民党の石破幹事長。

 もし田中文科相が問責決議を受ければ、素人発言連発で問責決議を受けた夫の田中直紀前防衛相とともに、史上初の夫婦問責となる。

 一方、ある自民党幹部は問責決議について、「とっておくのもあるよね。泳がせておくというか」と、あえて出さないことを示唆する声も出ている。

 しかし、これは、このまま大臣を続けさせた方が次々と新たな問題を引き起こし、野田政権に、さらにダメージを与えられるという戦略とみられている。

 そうした中、波紋を広げているのが7日、現行制度のまま認可することを明らかにしたあとの田中文科相の発言。

 7日夕方、田中文科相は「今回、逆にいい宣伝になって、4〜5年間はブームになるかもしれません」などと述べた。

 混乱を起こしたことへの謝罪などはなく、逆に、「いい宣伝になった」と話した。

 一時、不認可とされた秋田公立美術大学を新設する秋田市の穂積 志(もとむ)市長は8日、「『宣伝になった』、それは本人が言う言葉じゃないでしょ。まず、生徒に大臣は真摯(しんし)におわびすべきだと思います」と述べた。

 8日午後、自民党の小泉 進次郎青年局長は「官邸も田中大臣の方針を支持したわけですよね。不認可の意向がわかった時点で、それを止めるべきでしたよね。この混乱を招いた責任は、わたしは田中大臣だけにあるとは思いません」と述べた。

 8日午後3時半ごろ、国会を終えた田中文科相は、「認可に変えたのはなぜですか? 一言お願いします」との記者の質問に、何も答えなかった。








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