私の政治信条(2)

平成21年8月30日、私は実に13年ぶりの国政復帰を果たすことができた。驚くべきことだった。平成5年に衆院議員として初当選したが、その後2回の落選と浪人生活6年半。
その間市会議員としても2期6年余り。干支が一回り以上の年月を経て国会に返り咲いた人はほとんどいない。これはひとえに、何とか竹内を国会に戻して活躍の場を与えてあげようと、必死で応援して頂いた方々のお陰であり、心から厚く感謝をしている。

しかし、久しぶりの国会では、民主党が熱狂的な政権交代選挙を果たした一方で、わが公明党は当時の太田代表、北側幹事長をはじめ小選挙区候補8名全員が落選するなど歴史的な大敗北を喫した。私は悔しかった。自分は当選させて頂いたものの、敗れた同志に本当に申し訳ない思いで一杯であった。何としても、必ず民主党政権の虚構を暴き、これを倒して同志を取り戻すとの決意を深くした。

民主党政権の3年3か月。私は国会を中心に死にもの狂いで言論戦を挑んだ。結果として衆議院での質問回数は全議員480名のうち第10位。公明党では第1位。内容の面でも相当知恵を絞った。後に総理を務めることとなる鳩山氏、菅氏、野田氏をはじめとして、ほとんどの民主党の看板閣僚やスター達と本会議や予算委員会などで激しい論戦を繰り広げた。

平成24年12月16日の総選挙では、ご存じのとおり私は3度目の当選を果たすことができ、また自公政権の復活とともに、初めて財務大臣政務官として内閣(政府)の一員となった。本格的な権力機構のもとでの政治が始まる。いわゆる「アベノミクス」経済政策など、今のところ順調に推移している安倍政権ではあるが、評価するにはまだまだ早い。どこまでも、謙虚に慎重に、かつ決めるべき課題は大胆に決めていかなければならない。私としては、長く続いたデフレによる社会の鬱屈とした気分を転換し、広く国民が希望と安心のもてる社会になるよう全力を尽くしていきたい。

マックス・ヴェーバーは、「政治にとって決定的な手段とは暴力」であり、政治家は「暴力の中に身を潜めている悪魔の力と関係を結ぶ」と指摘している(『職業としての政治』)。特に政府与党の政治家には、特別の厳しい倫理が要求されるのであり、私もこれを戒めとせねばならないと深く決意している。

つづく



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