次期衆議院選挙は、自民と民主の二大政党の激突と言われている。確かにそういう面もあるが、恐らく今後重要な存在になるのが公明である。なぜならば、自民も民主も政党としての本質はあまり差異がないからだ。ではどういう点が似ているのか。それは、両党とも「はじめに国家ありき」という点だ。対して公明は「人間の幸福から考える」という違いがある。自民・民主は「国のかたちはどうあるべきか」から始まる。対して公明は「人間の幸福を実現するためにはどうすべきか」と考える。
「財政再建」、「地方分権・道州制」、「大きな政府・小さな政府」、「普通の国」「官僚主導から政治主導へ」等々、自民・民主の国会議員がよく語るテーマであり、重要な課題ではある。しかし、多くの国民からすれば、それによって自分の生活が良くなるのかどうかが一番大切であって、たとえ「財政再建」が実現しても、増税などで暮らしが疲弊したのでは全く意味が無い。また「普通の国」になって軍事面での国際貢献がなされても、日本が戦争に巻き込まれてしまったのでは本末転倒である。
 
これまでの人類の歴史をひも解いてみても、「革命・改革」の多くは戦争・内乱や凄惨な流血の事態に終始してきたのではなかったか。現代日本ではそのような極端なことはないとは思うものの、「人間の幸福」をしっかりと見据えない「改革」は、多くの場合混乱と不幸をもたらすことがしばしばである。自民・民主の発想は「統治構造」からスタートするのに対して、公明は「生命・生存・生活」を最大限に尊重するのである。 |