最近の大きな事件として話題になったのは「ライブドア証券取引法違反事件」だ。その少し前には、「耐震強度偽装事件」が発覚し大騒動になっていた。さらにその前には、広島や茨城における「少女誘拐殺人事件」があった。詳細は報道に譲るが、私はこれら事件に共通する本質があると思う。
それは自己中心的な欲望のために、人間や社会にとって一番大切なものを切り捨てているということではないだろうか。例えばライブドア事件では、金儲けということを最大の目的として、それを実現するために法律や道徳・倫理を踏みにじったとされる。それを破ることは個人にとっても会社にとっても最も大切な「信用」というものを失うことになる。「耐震強度偽装事件」では、やはり「利益至上主義」のために安全や安心が犠牲にされている。全国で多発する「少女誘拐殺人事件」では、自らの欲情のために少女の生命を簡単に弄び殺しているのである。
欲望に振り回される人間社会。その原因がすべて政治の責任である訳ではない。しかし、こういう世の中にあって、確かな宗教基盤に支えられて正しい人間社会を築き上げていこうという公明党の使命は重大なものがあると思う。欲望の達成が目的ではなくて、「欲望(煩悩)をコントロールし正しく用いることによって価値を創造し、人間の幸福と平和を実現していくこと」、これが公明党の思想である。 |