拉致問題国際セミナーに出席いたしました。(12/11)

拉致問題国際セミナーに出席いたしました。(12/11)

未だに拉致被害者全員の帰国が実現できていないことは、痛恨の極みであり、誠に申し訳なく存じます。加えて、本年は、誠に残念な出来事が続きました。2月に有本嘉代子さん、6月に横田滋前家族会代表、7月に地村保さんがお亡くなりになられました。拉致問題の解決のため長年にわたり尽力されてきたことに、改めて心から敬意を表するとともに、謹んで哀悼の意を表します。有本嘉代子さんや、横田滋さんが御存命のうちに、恵子さん、めぐみさんの帰国を実現できなかったことは、慚愧の念に堪えません。

しかしながら、最近の北朝鮮情勢を分析すると、変化の兆しも見えてきました。
まず、バイデン氏の勝利に伴い、米朝関係は膠着状態が続くと見られていますが、北朝鮮はバイデン氏に気を使いかん口令を敷いて、刺激しない戦術を取っています。これ以上の経済制裁を防ぎたいという思惑の現れです。
その背景として、今年、朝鮮半島に2つの台風が上陸しましたが、その損害が深刻な上に、これに新型コロナウイルス感染症の大流行が追い打ちをかけており、中朝の国境貿易が7割減にまで落ち込んでいます。そのため、食料価格が前年の4倍にも上がっているということがあります。つまり、慢性的な食糧不足が続いており、これ以上の経済制裁は体制が持たないということです。

北朝鮮は中国に対して20万トンの食糧の追加支援を要請しており、中国もこれを受け入れざるを得ないというのが実情です。8月に開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で、金委員長自身も「国家経済の成長目標が甚だしく未達成となった」と経済的苦境を素直に認めています。

コロナ禍についていえば、軍隊でも感染が広がっている模様です。韓国がこのことを報道して、北朝鮮は過剰なまでの反応を示しましたが、これも事態が深刻であることの裏返しであるという見方が一般的です。感染者はいないというのが公式発表ですが、沿海漁業や塩の生産も停止するなど、非合理な制限も課されています。平壌駐在の外交官には雪遊びの自粛まで求めているような状況です。

こうした状況を考えると、北朝鮮も強硬姿勢を改め、交渉のテーブルに着く可能性があります。
菅総理は、就任直後の記者会見で、拉致問題について「全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、引き続き全力で取り組む」と述べるとともに、先月の予算委員会において、私の質問に対して、「金正恩委員長と無条件で会って解決したい、そうした機会を、どんな小さな機会でも逃すことなく行っていきたい」と明確に答弁されています。

北朝鮮にとっては、対米、対韓とも膠着状態が続くことが予想されており、日朝関係は打開のチャンスでもあります。
北朝鮮は日本の動向をじっと窺っています。私の周辺でもその様子がよく分かります。
公明党は、菅総理の決意が一日でも早く実現し、全ての拉致被害者を御家族の下に戻せるよう、皆さんと共に努力していく所存であります。何卒、宜しくお願いいたします。ありがとうございました。



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