【2014/1/9公明新聞】シン首相と会談 公明党訪印団


 【ニューデリー7日=西田義光】公明党の山口那津男代表は7日夕(日本時間7日夜)、ニューデリーの首相公邸でインドのマンモハン・シン首相と約30分間、会談した。党訪印団の竹内譲、岡本三成両国際局次長(ともに衆院議員)が同席した。

 席上、山口代表は、日本とインドが戦略的パートナーシップとして、政治、経済でのつながりを深めてきた点に言及し、それを推進してきたシン首相に謝意を表明した。

 シン首相は、昨年5月に来日した際、山口代表と会談したことに触れ、「生産性の高い対話ができた。インドと日本の戦略的パートナーシップは、両国の深い関係をつくっている」と強調。その上で、「インド人は日本人を高く評価している。全ての人が日本との親密的な関係に賛成している。2国間の協力関係を強化していきたい」と訴えた。

 また、「この数年間、日本がインドに対して大きな借款を供与してくれたことを高く評価している。(円借款の受け入れ国として)世界で最も高い金額をいただいている」と表明。日本の大手自動車メーカーがインドに進出し、自動車の普及を後押ししてきたことに加え、インドの地下鉄事業などに対する日本の支援がインドの経済成長を支えているとの認識を示した。

 さらに、「インドと日本の多角的な関係に何の妨げもない。今回の公明党の訪問は、インドと日本の関係をさらに加速させていくだろう」との考えを述べた。

 一方、シン首相は、「公明党の政治的役割はよく存じている。特に、草の根(レベルでの)ネットワークの素晴らしさをよく知っている」として、公明党の政治姿勢を評価。

 これに対し、山口代表は、党に対する深い理解に謝意を示した上で「公明党は、世界平和のために草の根で実績を積み重ねてきた」と強調するとともに、「今後は教育の分野でも協力を進めていきたい」と訴えた。また、経済政策などで長きにわたり多大な業績を築いてきたシン首相の指導力に敬意を表した。

 シン首相は、インドと日本の関係が今後さらに発展していく可能性が高いとして「さまざまな分野で(つながりを)強化していきたい」とし、「インドが貧富の差をなくし、教育の質を高め、経済発展をしていく姿をぜひ見てほしい」と訴えた。

 山口代表は「(この会談の内容は)安倍晋三首相に伝える。公明党は、(連立与党として)自民党と共にインドの発展にさらに尽力していく」と強調した。

 加えて、今月下旬に開かれるインドの共和国記念日の主賓として、安倍首相が訪印することについて、シン首相が「歓迎する」と述べたことに対し、こうした動きは「日印関係の発展のための大きなステップになる」と力説した。


○ジャイトリー 上院野党議員団長と懇談

 【ニューデリー7日=西田義光】公明党訪印団(団長=山口那津男代表)は7日夜、デリーでインド人民党(BJP)のアルン・ジャイトリー上院野党議員団長と懇談し、日印の政党間交流を促進していくことで一致した。

 この中で山口代表は、「日本では与野党を問わず、全ての党がインドとの関係を重要と考えている」とした上で、「日本とインドの両政府が(良好な)関係をつくっていくことは重要だが、その根底で大事なことは、(両国の)政党同士の付き合いだ」と指摘した。

 これに対し、ジャイトリー団長は、インドが天皇、皇后両陛下をはじめ、山口代表や安倍晋三首相の訪印に力を注いできた点に触れ、「インドが日本をどれだけ重要と思っているか理解できる。インドのどの政党も日本との関係が最重要の一つだということに同意している」と強調した。

 その上で、「公明党議員はもっとインドに来てほしい。公明党とBJPの関係を強くしたい」と力説。山口代表も「BJPと公明党の交流を活発化させたい」と応じた。

 一方、ジャイトリー団長は、デリーメトロや、デリー・ムンバイ間の貨物専用鉄道などの整備が進んでいる現状に言及し、「(これらのインフラ整備が)インドという国を新しい国に変えた」として、日本の支援に謝意を表明。山口代表は、太田昭宏国土交通相(公明党)と連携しながら、今後もインフラ整備を後押ししていく意向を示した。


○デリーメトロ 運行状況を調査 党訪印団

 【ニューデリー7日=西田義光】公明党の山口那津男代表を団長とする党訪印団は7日午後、ニューデリーで地下鉄の建設や運営を担うデリーメトロ公社を訪れ、地下鉄の運行状況などについて説明を受け、意見を交わした。

 デリーメトロは円借款によって整備が進み、現在の運行距離は約190キロと東京メトロ(東京地下鉄株式会社)が運営する距離とほぼ同じ。運行時間は午前6時から午後11時までで、毎日約220万人が利用。全体の99%がダイヤ通りで運行しているという。現在進行中の3期目の工事は2016年にも完了する見通しで、運行距離は320キロにまで延びる予定だ。

 デリーメトロは円借款によって整備が進み、現在の運行距離は約190キロと東京メトロ(東京地下鉄株式会社)が運営する距離とほぼ同じ。運行時間は午前6時から午後11時までで、毎日約220万人が利用。全体の99%がダイヤ通りで運行しているという。現在進行中の3期目の工事は2016年にも完了する見通しで、運行距離は320キロにまで延びる予定だ。

 その後、山口代表らは、実際に地下鉄に乗車し、運行状況を調査した。


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