香港・政治経済情勢視察報(1)

中華人民共和国・香港特別行政区の招請を受け、私と参議院議員の山本博司さんは、九月六日から八日の三日間、香港の政治行政視察に行って参りました。 九月五日の夜に羽田を発ち、翌日の深夜に香港に到着。三日間フル回転で働き、帰りは、香港を九日の深夜三時半に発ち、羽田に朝七時に到着するというハードスケジュール。そのためこの便名は、ビジネスマンの間では「過労死便」と呼ばれているそうです。

香港の面積は東京都の約半分で、人口は約700万人。民族は漢民族が95%、言語は長く英国統治下にあったので、英語と中国語が公用語。日本人と区別がつかないような顔立ちの人から、U.Kなまりの英語がシャワーのように発せられるのには驚きました。

【写真】高層ビルが立ち並ぶ経済都市・香港

私は北京や上海には昨年行きましたが、香港は実は初めて。山本参議院議員は三度目。香港の初印象は、自由で、活気があり、しかも東洋と西洋が混在する非常に魅力的な経済都市というものでした。ここは明らかに社会主義中国ではありません。

1997年に英国から中国に主権が返還されましたが、基本法では、「一国二制度」を定めています。そのポイントは、@返還前の香港の社会・経済制度・生活様式を50年間保証する。A香港を高度の自治権を有する特別行政区として、行政権・立法権・司法権を付与。ただし外交・国防を除く。B香港政府は、香港住民により構成される。

【写真】立法議会議員と意見交換=7日

香港の立法議会議員の与野党の方々と議論しましたが、彼らの最大の懸念は、中国全人代の力が強まり、言論の自由や報道の自由が制限されるのではないか、また司法の独立が侵されるのではないか、というものでした。

香港でも日本の政治状況についても高い関心があり、なぜ日本では一年ごとに総理が代わるのか、かつてのように力のある政治家がいなくなったのか、といった厳しい質問が出されました。これに対して私は、深刻な問題ではあるが、民主党代表選で菅氏と小沢氏のいずれが総理になっても不安定であり、公明党こそがキャスティングボードを握っている。公明党の判断が日本の方向を左右するので、公明党に是非注目してもらいたいと述べました。

(つづく)

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