政治の焦点

「内閣は憲法第9条の解釈変更をできるのか?」

※これは英文ブログ「Can a Cabinet reinterpret Article 9 of the Constitution」の翻訳です
2014/03/12

ロホル欧州経営技術大学院(ESMT)学長と面談

【写真】ロホル欧州経営技術大学院(ESMT)学長と面談


日本国憲法第9条は「戦争の放棄」を規定していることで有名です。憲法第9条のこの解釈は、日本は自衛権を持っていますが、国際法上認められている集団的自衛権の行使はできないということになっています。日本政府は、憲法施行より60年以上この解釈を維持してきました。しかしながら、安倍首相は、彼の内閣において、日本が集団的自衛権の行使が可能となるように、憲法第9条の解釈を変更することに熱心に取り組んでいます。

安倍首相とそのグループは、北朝鮮や中国による脅威によって東アジア地域の安全保障情勢が変化し、また緊迫化しており、そのため、憲法第9条の解釈の変更を通して日米同盟の強化を促そうと考えています。しかし、内閣法制局は憲法第9条の解釈変更に慎重です。公明党の山口代表は、政府は解釈変更をする理由を丁寧に説明し、国際社会、特に東アジアの国々への影響を熟慮すべきであると警告しています。

憲法第9条は第二次世界大戦の深い反省を基に実現したもので、大部分の日本人によって、60年以上「平和の砦」として支持され続けています。もしも安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認すれば、日本が第三国から直接攻撃を受けていなくても、同盟国のために戦争に行くことを義務付けられます。これは、平和国家としての日本の方向性と形を大幅に変えてしまいます。この点は極めて重要ですが、しかしながら、日本国民の大部分はこの事に気付いていないかもしれません。

安倍首相が望むスケジュールは次の通りです。4月に首相の私的諮問機関が安倍首相に安全保障報告書を提出します。次に、自民党と公明党間でこの課題に関する協議が始まり、もし両党で合意に達すれば、夏の終わり頃までに憲法第9条の解釈変更を閣議決定したいとしています。その後、自衛隊が新たな解釈に則って行動するための関連法の修正が必要となりますので、閣議決定は国会で審議されることになります。

それでもなお、公明党だけではなく自民党内部にも少なからぬ反対者がいます。安倍首相は、与党と十分な協議を持ち、世論に細心の注意を払いながら、国会審議を通じて、争点を日本国民に提起する必要があるでしょう。

 

 

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