政治の焦点

「消費税引き上げと軽減税率」

※これは英文ブログ「Consumption tax hike and reduced tax rate」の翻訳です
2014/01/22

日本経済が直面している最も重要な課題は、デフレからの脱却と財政再建です。安倍晋三首相は、消費税率を引き上げても、デフレからの脱却が可能であるかどうかを慎重に議論してきましたが、4月から6月の年率GDPは3.8%で、他の経済指標やインデックスも良好でしたので、2013年10月1日、安倍首相は2014年4月より消費税率を5%から8%に引き上げることを決めました。

消費税率引き上げの目的は、増大する社会保障費の財源を確保することであり、それによって、近々700兆円にまで達する国債発行費を抑制することです。他方で、消費税の引き上げ後、しばらくの間は消費と投資が落ち込むと思われます。そのため、デフレを克服するために、政府は5兆円の補正予算と1兆円の減税から成る経済対策パッケージを作りました。国内外のほとんどのエコノミスト達はこの経済対策パッケージを評価していますが、一部のマスコミは、政府が補正予算に5兆円(消費税2%に相当)を費やせば、3%の消費税引き上げは財政再建に効果がないのではないかと疑問を呈しています。しかしながら、経済対策パッケージの資金は消費税率引き上げ分からではなく、2012年度の決算剰余金と2013年度当初予算からの税収上振れ分によって確保します。

日本が直面する次なる課題は、2015年10月に消費税率を8%から10%への引き上げが可能かどうか、そしてまた、食品や新聞などへの軽減税率の導入ができるかどうかです。公明党は、消費税率を10%へ引き上げる時には、低所得者のための軽減税率制度を導入することを強く主張しています。これは自民党と公明党の間で論争中の課題ですが、両党は12月12日、徹夜の協議の末に、消費税率10%時に、財源確保と納税事業者の理解を得た上で軽減税率制度を導入することで合意しました。日本政府の経済運営は世界中から注目されつつあります。

 

 

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