政治の焦点

政治の焦点(第26話)

「アベノミクスとは何か」

※これは英文ブログ「What is "Abenomics"?」の翻訳です
2013/03/06

仙洞御所 京都市

【写真】仙洞御所 京都市


政権交代後、安倍政権の経済政策である「アベノミクス」が提唱されてから、円は1ドル79円台から93円台に値下がりし、日経平均株価は8,000円台から12,000円台にまで上昇しました。

「アベノミクス」は、日本銀行による大胆な金融緩和政策と、公共事業を中心とした財政政策、医療や農業の規制緩和を含む成長戦略の3つの基本方針で構成されています。そのため、これらの政策は「3本の矢」と呼ばれています。

安倍晋三首相は特に、「2%のインフレターゲット政策」を設定することによって、前政権時よりもさらにマネタリーベースを増加させるよう日本銀行に要求しましたが、これは、株式市場や外国為替市場に驚くほどの効果を生み出しました。

インフレターゲット政策は、米国の連邦準備銀行や他国の中央銀行ではすでに採用されていますが、日本銀行では初めての試みでした。政府が行ったこの社会的、経済的実験は成功しつつあり、社会の雰囲気は間違いなく良くなっています。円安や株価の上昇により、輸出企業は急速に利益を増加させています。その結果、まもなく設備投資も回復していくと思われます。

最も重要なことは、企業が労働者の賃金引き上げを行えるかどうかです。安倍首相はこの点をよく理解しており、経団連に報酬の引き上げを要請しました。賃金水準の引き上げがなければ、2%のインフレターゲット政策は労働者を苦しめてしまいます。しかし、いくつかの企業が実際に賃金の引き上げを行えば、こうした流れは徐々に広がり、消費の増加につながっていくでしょう。

このように、日本がデフレを克服するためには、かつてミルトン・フリードマンが主唱した金融緩和政策や、ジョン・メイナード・ケインズの財政政策、ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーション政策からなる「アベノミクス(3本の矢)」が、必要不可欠であると私は確信しています。

 

 

BACKHOME