(1)確かに社会保障政策などでは近い部分もある。しかし現在の民主党の安全保障・外交政策では、大衆迎合的過ぎて余りにもぶれが大きい。これでは統治能力に欠けるし、国民は安心して政権を任せるわけにはいかない。残念ながら政権運営能力の点では自民党に一日の長がある。 (2)かつての湾岸戦争と自衛隊の PKO 派遣問題の時のほうが、議論が沸騰した。当時「もはや一国平和主義だけでは日本を守ることができない。世界の中の日本がどう生きるかを真剣に考えた場合、一定の国際貢献が必要である」との大きな価値転換を行った。確かに今回のイラクでの多国籍軍参加問題でも一部に異論はあるが、あくまでも人道復興支援が目的であり、かつ日本に指揮権があることなどから支持者には理解されている。 (3) 新進党は失敗に終わったが、二大政党制への実験という意味では貴重な経験となった。ひとつの教訓は、日本ではまだまだ二大政党では民意が反映されず、もう少し多様な意見を吸収する政党が必要であることだ。無党派層がこれだけ多いこともその証左である。公明党も含めてより魅力ある政治を実行しなければならない。理想を言えば政界再編はやらねばならない。ただ国民は政治の安定を望んでいることも事実であって、選挙互助会のような政界再編には飽き飽きしているだろう。 (4)公明党としては、定数3程度の中選挙区制を今も提案している。日本では二大政党制が時期尚早であったことと同じように、オール・オア・ナッシングの小選挙区制度は歴史的・風土的にも日本の国民性には合わないのではないか。 (5)わが党では実に多くの支持者による厳しい評価を経た上で、候補者を選定している。 |