京都論〜 「こうする京都トーク」(その1) 〜
京大の政治学研究者の皆さんとの意見交換会

去る6月28日、現代政治学の泰斗で、テレビ、新聞、雑誌でも有名な、京都大学法学部の教授並びに、そのお弟子さんの研究者、大学院生の方々と、公明党京都府本部の有志による意見交換会を開きました。

京大側からは、

(1)公明党は、政策的には民主党のほうが、自民党よりも近いのではないか。今後理念・政策による政界再編がありうるか。
(2)イラクへの自衛隊派遣・多国籍軍参加など支持者には異論が多いのではないか。
(3)かつての新進党の経験をどのように総括しているか。
(4)小選挙制度になって自民党の自力がなくなり公明党依存が強まっている。これは政党政治にとっては不幸なことだ。公明党は衆議院の選挙制度はこのままで良いと考えるか。
(5)公明党の候補者選定の方法はどのようになされているのか。

等々について注目すべき議論が交わされました。ここでは、上記@〜Dの問題に関し、私及び公明党側の見解を述べておきます。

(1)確かに社会保障政策などでは近い部分もある。しかし現在の民主党の安全保障・外交政策では、大衆迎合的過ぎて余りにもぶれが大きい。これでは統治能力に欠けるし、国民は安心して政権を任せるわけにはいかない。残念ながら政権運営能力の点では自民党に一日の長がある。

(2)かつての湾岸戦争と自衛隊の PKO 派遣問題の時のほうが、議論が沸騰した。当時「もはや一国平和主義だけでは日本を守ることができない。世界の中の日本がどう生きるかを真剣に考えた場合、一定の国際貢献が必要である」との大きな価値転換を行った。確かに今回のイラクでの多国籍軍参加問題でも一部に異論はあるが、あくまでも人道復興支援が目的であり、かつ日本に指揮権があることなどから支持者には理解されている。

(3) 新進党は失敗に終わったが、二大政党制への実験という意味では貴重な経験となった。ひとつの教訓は、日本ではまだまだ二大政党では民意が反映されず、もう少し多様な意見を吸収する政党が必要であることだ。無党派層がこれだけ多いこともその証左である。公明党も含めてより魅力ある政治を実行しなければならない。理想を言えば政界再編はやらねばならない。ただ国民は政治の安定を望んでいることも事実であって、選挙互助会のような政界再編には飽き飽きしているだろう。

(4)公明党としては、定数3程度の中選挙区制を今も提案している。日本では二大政党制が時期尚早であったことと同じように、オール・オア・ナッシングの小選挙区制度は歴史的・風土的にも日本の国民性には合わないのではないか。

(5)わが党では実に多くの支持者による厳しい評価を経た上で、候補者を選定している。