介護保険特別要望

去る平成11年10月15日に公明党京都市会議員団は桝本京都市長に対して、「平成12年度京都市予算編成に対する要望書」を提出致しました。このうち、私が原案を担当した「特別要望」が下記のとおりです。これは明年4月から実施される介護保険について、私どもの問題意識をまとめたものです。

介護保険特別要望

公明党京都市会議員団

いよいよ介護保険制度が明年4月から実施されることになった。我が国は、今や世界一の長寿社会となり、今後ますます「要介護(支援)状態」の高齢者が急増して
いくこと、また少子化にともなう家族介護力の衰え、さらに介護サービスが絶対的に不足している現状等に鑑みるならば、在宅サービスを主体とする本制度は安心して高齢期をすごすために必要不可欠であると言えよう。しかしながら実施まで残り半年をきった今、市民に対する周知徹底は未だ十分とは言えず、また検討課題が山積しているため、様々な不安が交錯している。従ってできるだけ早期の課題解決に取り組み、市民の不安を極力解消して、誰もが安心して利用できる制度を作りあげなくてはならない。これまで公明党としては政府に対して「介護保険制度の安定運営の確保に関する緊急提言」も行ってきたと
ころであるが、制度の運営主体は市町村と定められているため、わが京都市会議員団としては、京都市長に対して下記の点について特別に要望を行うものである。

1. 介護保険導入にあたっては、わが国で初めての制度であることから、市民の
  誰もが安心できる制度となるよう、全庁を上げて取り組み、円滑な実施を
目指すこと。

2. 介護保険制度の基盤となる特別養護老人ホーム等の施設整備を一層図ると
  ともに、遅れているケアハウスやグループホームの施設建設を積極的に
推進すること。

3. 在宅介護サービスを支えるホームヘルパー等の福祉マンパワーの増員
  を図ること。

4. 居宅介護支援事業者や介護サービス提供事業者をはじめ福祉医療関連
  施設における介護サービスの公正性、公平性を確保するため、第三者的
機関として福祉オンブズマン制度を確立すること。

5. 要介護認定や介護サービスに関わる苦情申し立てなどに対し、府や国保
  連合会と連携し本市独自の苦情処理体制を確立すること。

6. 痴呆性高齢者や独居老人などに対する調査や介護サービス計画の作成
  等にあたっては、公平・公正の確保や利用者本人・家族の意思を尊重する
観点から、家族や第三者の立会人の義務づけを検討すること。

7. 指定居宅介護支援事業者や介護サービス提供事業者相互において、円滑
  な事業展開や利用者の立場に立った適切なサービスが提供できるように
情報交換システムの構築に取り組むこと。

8. 給付水準の上乗せ、市町村特別給付、保険福祉事業などは、介護保険
  法により原則としてその費用は第一号被保険者の保険料が財源となって
いるので、市民のニーズやサービス供給量等を慎重に検討する必要があ
るが、場合により一般財源からの補填も考慮すべきである。

9. 従来介護サービスを利用していたが、要介護認定において自立と判定され
  た高齢者や、従来利用していた介護サービス量が、要介護度区分による
支給限度額のサービス量より減少する高齢者、さらに要介護認定において、
自立・要支援と認定された特別養護老人ホームの経過措置者については、
関係機関が十分利用者本人や家族との相談に応じ不安を解消するとともに、
希望を尊重し必要な対応を行うこと。

10. 制度上保険料・利用料について一応の低所得者への配慮が定められてい
  るが、所得状況等の実態から判断して何らかの対策を考慮すべき場合や、
法令の主旨から判断して減免等を考慮すべき場合も想定されるため、本市
独自の施策の必要性について検討すること。

11. 市民が本制度に対する理解を深めることができるように、広報活動の充実
  に取り組むこと。

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