京都市の重要政策について

京都市会に初当選させて頂いてから、はや4年が経ちました。私は20世紀から21世紀にかけての大変革期にあたり、京都市政の改革に桝本市長とともに大いに貢献できたと自負しております。これもひとえに皆様のご支援のおかげであると感謝しております。
 さて、私はこの4年間で4回の本会議質問に立ち、市政の抱える重要課題について質問や提言を行って参りました。これは全市会議員の中でトップの回数です。テレビ放映もされましたので、ご覧になった方もあるとは思いますが、その中でとりあげた課題を中心として、私の考える「京都市の重要政策」について述べさせて頂きます。


 まず私の政治理念は、平和で、人類が希望をもち、安心して暮らせる人間尊重の社会を築くことです。懸命に働く人が報われる社会を創ること。たとえ万一失敗したとしても再起の夢をもって再び立ち上がれる社会を創ること。高齢者や障害のある方、また社会的に弱い立場にある方々すべてに温かい社会を創ることです。人間が人間らしく生きていくことのできる社会を創ることです。

 私が一番切実に実現したいのは、この人間主義の経済社会の構築なのです。資本主義は完全ではありません。矛盾だらけです。しかし社会主義や共産主義の壮大な実験も、ソビエト連邦や東欧諸国の崩壊、また北朝鮮をみてもわかるように、完全に失敗しました。日本共産党はいろいろと屁理屈を並べ立てて、そうではないと強弁していますが、所詮屁理屈は屁理屈であり、科学的などと言いながら例外だらけで全く非科学的な論法です。
 京都市民の多くが豊かさを実感できないのは、この失敗した共産主義に未だにだまされ続けていることと無縁ではありません。市会72人のうち20人が共産党。政令市全国一の比率です。しんぶん赤旗や京都民報を読んでも、社会に対する悪質な批判・恨みの声、他の政党に対する悪口ばかりです。心の貧しさが表れています。元気がでないのは当然です。共産党には夢や希望が無い。ビジョンがありません。

 私は、人間が人間らしく幸せに生きてゆくには、政治がどういう経済政策や社会政策を実行すべきかを真剣に考えてきました。これから申し上げることはその一環であり、平和で人々が安心して暮らせる人間尊重の社会を創ってゆくために、全力で働いて参ります。市民がお互いに思いやりの心をもち、協力しあっていけば、必ず社会は良くなります。私もその一員として、夢と希望の持てる社会を創って参ります。



1. 中小企業の再生・雇用の創造


 経済の停滞が深刻の度を増しています。企業倒産・リストラ・失業などが増大しており、日本経済の再生が緊急かつ最大の課題です。日本共産党は、現在の不況の原因はすべて小泉首相の構造改革路線が間違っているからであり、自民・公明の悪政が国民を苦しめていると言っていますが、このことが明らかに間違っていることは2月の議会代表質問の中で述べているところです。

 世界と時代が大きく変化している以上、従来の延長線上でものを考えていてはいけません。抜本的にはやはり小泉総理の言うように、構造改革を成し遂げ、将来に対する安心感や期待感を醸成して、新しい需要を生み出すことが必要です。政府の構造改革には批判はあるけれども、方向は間違っていません。後は宣伝の仕方と手順、そしてスピードアップが大切です。その上で構造改革をより円滑に成功させるためには、金融緩和策や円安誘導策、失業対策や雇用創出事業を通じて、国民の痛みを和らげることも不可欠です。

「21世紀京都市新産業ビジョン」

 そこで京都市として何をなすべきか。平成11年9月、私は本会議での質問で、新たな知識創造社会の到来を見据えた「21世紀京都市新産業ビジョン」の策定を提唱致しました。これを受けて、京都市ではこのたび「京都市スーパーテクノシティ構想」をまとめました。
 京都は大学の街ですが、大学生の数や質の高さ、また大学に眠る技術や知恵はノーベル賞学者を多数生み出しているように、世界的なレベルにあり東京を凌ぐものです。そこでものづくり都市を基本としながら、これら大学と企業の連携によって新しい産業や仕事をどんどん生み出していこうという計画なのです。今後京大や京都工芸繊維大学などと中小企業との共同研究も進めていきます。

「京都版中小企業技術革新制度(SBIR)」

 私は、さらに大学と企業・個人が共同研究をすることによって、新しい商品を開発する場合や、新しいビジネスモデルをやってみたいという場合に、一定の審査を経て委託金を渡す京都版「中小企業技術革新制度(SBIR)」を創りました。これは融資とは異なり、返さなくて良いお金です。伝統産業や観光産業には別枠を設けています。アメリカでは実は1980年代に大変有効であった制度でこれによってアメリカ経済は復活したと言われています。京都上京区の西陣の町家を使った新しい事業も生まれつつあります。


「環境ベンチャー都市づくり」構想

 また、公明党京都市会議員団としては、より人間らしい都市づくりを目指すため、昨年11月に「21世紀京都の人間都市づくり」を提案いたしました。その中で私どもが今回提案した産業政策が、「環境ベンチャー都市づくり」構想です。京都議定書により、KYOTOは、環境ブランドとして世界に定着しています。そこで、こうした優位性を活用して環境産業を次代の産業として育てることが重要です。京都市は大学との連携で有利な地位にありますが、中小企業に至るまでの幅広い産業立地を構想しています。これらによって雇用・働く場所を作って参ります。

「中小企業あんしん借換融資制度」

 当面の緊急の対策として、京都市はすでに独自の「中小企業あんしん借換融資制度」を実行しています。これは一定の場合に、1.5%の低金利で一年据え置き7年返済というものです。また国においては今年度の補正予算で、新たに10兆円の信用保証枠が創設されました。特に重要なものは、公明党が重点要望として国に創設を求めていた「資金繰り円滑化借換保証制度」です。これは中小企業が既に利用している保証付き融資の借換を促し、最長10年の返済期間を設けることで、毎月の返済負担を軽減するものです。また同制度では計画返済が見込まれる場合、増額保証も柔軟に受けることができます。この借換融資制度は、この1ヵ月間で京都市だけでもすでに100億円以上の融資が実行されています。
 なお、日本共産党がこの融資制度を実現したと、またまた実績横取りの発言をしていますが、これは真っ赤なウソです。私は議会で京都市から同融資制度を作る旨の発言があった時に、共産党議員が予想もしなかった回答に驚き、あわてふためいていた様子をよく覚えています。

「中小企業再生支援協議会」

 その上でより重要な問題は、企業を再生することです。政府与党の努力により、大企業の場合は産業再生機構による対応が整備された他、経営不振に陥った中小企業の事業再生のために、2003年度中には全都道府県に「中小企業再生支援協議会」が設置されることになりました。京都では2月に先行的に設置されたところです。京都市としても中小企業の再生に尽力してまいります。

「伝統産業を学校で教える事業」

 平成15年から京都市では、西陣・友禅をはじめとする多彩な伝統産業の職人の方々に小・中・高校で子どもたちに教えてもらう事業を実施します。これは伝統産業の雇用創出と同時に、未来の後継者の発掘・育成を狙っているものです。本年度だけで1万人以上の雇用を創り出す予定です。
 これに対して共産党にはまともな経済政策はありません。19世紀のマルクス・レーニン主義で、21世紀の経済を考えることは土台無理があります。


2.少子・高齢化対策

 さて、我が国は今や世界有数の長寿国となり、少子化と相まって人口の高齢化が急速に進んでいます。本市においても人口の高齢化は例外ではなく、平成27年(2015年)頃には全人口に占める65歳以上の高齢者の割合が25%を超えるものと予測され、4人に1人が高齢者という超高齢社会を迎えることになります。介護の問題は自治体としては大変重要な政策課題と言えます。

 高齢者が寝たきりになる2大原因は、@転倒による骨折と、A脳卒中の後遺症です。このうち転倒による骨折は、筋力トレーニングが予防に大きな効果を発揮します。高齢化に伴い特に衰えやすいのが、大腰筋という筋肉で、これは脊椎(背骨)と大腿骨(太ももの骨)をつなぐ筋肉で、ひざを持ち上げたり、直立姿勢を保つのに重要な役割を果たします。この大腰筋が衰えると、歩き方がすり足になり、ちょっとした突起にもつまずいて転倒・骨折しやすくなります。茨城県大洋村ではまず転倒予防対策として、大腰筋の強化に主眼を置いた筋力強化運動を実施しました。また、寝たきりのもうひとつの要因である脳卒中の予防策として、血管の柔軟性を高めることに重点を置いたエアロビクス体操も実施しました。同プログラムのエアロビクスは、大腰筋強化のためのステップ昇降運動を取り入れているのが特徴です。

 96年から始まった同プログラムの効果は顕著で、一回一時間・週二回のトレーニングを一年間続けたグループ(平均年齢65.2歳)は、大腰筋の太さが15.2%増加し、高齢者でも無理なく筋力を強化できることが明らかになりました。一方トレーニングをしなかったグループ(平均年齢68.0歳)は、大腰筋の太さが7.8%減少していました。
 村のこうした取り組みの効果は、医療費支出の面でも大きく表れています。高齢化の進行に伴い増え続けてきた医療費は、94年を境に減少傾向に転じました。住民一人当たりの医療費を、90〜94年度の平均値と95〜99年度の平均値で比較すると、茨城県全体でこの間8%伸びているのに対し、村は1%に止まりました。医療費の抑制は、温泉施設やレクリエーション施設が手軽に利用できることによって、いわゆる病院のサロン化が防止できていることの効果も大きいとみられます。

「国際長寿モデル都市構想」

 公明党京都市会議員団では、こうした長寿社会に向けた諸課題に重点的に取り組み、新しい福祉文化の創造とヒューマニズム創造の社会構築を目指すため、昨年11月「国際長寿モデル都市構想」を提案いたしました。

 その中で、私は次のような具体的な施策を提案しています。
 (1)番目は、全市民参加の健康づくり運動の展開です。
 大洋村のように大学や専門の医療機関などと連携し、高齢者の健康づくりのモデル地区を設定してその実施効果を測定することが重要であると考えます。また私は高齢者向けの「大腰筋体操」を展開しているところです。私の語る会や保険所でも実演していますので、ぜひご参加ください。

 (2)番目は、要介護にならないための「介護予防」です。
 私たちが目指すべきものは、可能な限り要介護状態にならないようにすることです。このため、心身機能の衰えの兆候がみられる高齢者等を中心に、健康状態や生活実態に応じて、専門家から適切なアドバイスや生活支援が受けられる「介護予防プラン」を策定・普及するとともに、市民ニーズを反映した介護予防に向けた生活支援メニューづくりを進めてまいります。

 (3)番目は、「健康づくり」や「介護予防」を実践に移すために、高齢化比率の高い市内中心部での「小学校跡地を利用した高齢者のための健康増進センター」の設置を図ることです。大学や専門の医療機関による健診事業や健康づくり教室の他、温泉施設やレクリェーションセンターなどの施設を併置すればより効果的です。民間資金を導入するやり方であれば十分採算に乗る可能性があります。小学校跡地は上京区内でもまだいくつもありますが、財政逼迫の折抵抗勢力にあってなかなか進展していませんが、これに負けることなく引き続き叫んでいきたいと存じます。

 高齢者の方々が元気で明るく、希望をもって長生きしていただける「国際長寿モデル都市」京都をめざして、全力を尽くしていく決意です。

「児童手当の拡充」「乳幼児医療費助成制度の拡充」

 子育て支援策として、この二つを実現します。児童手当については現在就学前までのところを9歳までに延長する予定です。来年度からの実施となります。乳幼児医療費の助成制度については、3歳から就学前の児童について、一定の医療費助成を行う予定です。



3. 教育改革

「全人格的人間教育」

 公明党は「教育は子どもの幸福のためにある」との信念から、偏差値優先の受験教育ではなく、全人格的な人間教育を重視し、様々な提言をして参りました。一昨年は教育の基本は国語力との考えから、公明党は国会では「子ども読書活動推進法」を提案し、共産党のみが反対する中他の政党の協力を得て成立させました。京都市ではわが党と同様の立場から、スポーツ振興にも力を入れ多くの輝かしい結果も出しています。私自身もかつては甲子園をめざして白球を追って熱い汗を流してきた高校球児でありました。京都府大会ではベスト8までいきました。

「理科教育の振興」

 私は、子どもの可能性を引き出すもうひとつの道は、自然科学・理科に対する感動をもってもらうことであると考え、昨年の本会議でも理科教育振興を訴えるなど力を入れて参りました。その結果京都市では「21世紀の理科を考える京都市民会議」を発足。また「理科好きな子ども育成事業」など、この2年間で理科教育予算が大幅に増加されました。京都市では理科の竹内と呼ばれています。上京区でも室町小学校などに新しい実験設備が導入されることになりました。
 
「35人学級の実現」

 私は京都市会の文教委員会の副委員長をしておりますが、このたび京都市では小学校一年生と二年生を対象に35人学級を実現することになりました。これはわが公明党や市長の努力により実現するもので、これも共産党は自分たちの手柄のように宣伝しておりますが、これも真っ赤なウソであることを申し上げておきます。

 つづく

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