2002年を迎えて

「幸福とは何か」から問い直そう

今日本全体が構造不況に陥っていて、経済的にはなかなか難しい状況にあるのだが、このような時こそ一人ひとりにとって、「幸福とは何か」を問い直す必要があるのではないだろうか。

幸福感とは、個人の価値観に依存する。どのような価値を大切と考えるかによって、人生の生き方は変わってくる。私は多くの人々が同じような価値観を共有できた時代は終わったと思う。市民一人ひとりが、自分自身の価値観を創造する時なのだ。

ひたむきな個人の価値創造の行為が、社会に認知されることがある。それはその人にとっても幸福が拡大することだ。このように多様で個性的な価値観ができるだけ多く存在することが、社会の繁栄の基礎となる。

「自分の心をコントロールできること」

では幸福の土台となる価値観を作るには、どうすれば良いのだろうか。私はその必要条件として、「自分の心をコントロールできること」をあげたい。人間のもつ本能的な欲望をコントロールし、自分が大切と思う価値の形成のために集中することだ。


現在の日本では、家族をはじめとして社会の基盤が崩れつつあるが、それを防ぐにはまず「心の規律を取り戻すこと」からはじめなければならない。社会基盤の崩壊もバブル時に規律を失った日本社会全体の付けが回ってきていると捉えることもできる。このような理由から、私は教育の再建から始めたいと決意している。

「価値創造型人間こそ」

さて、地球上の生物は、突然変異などで地球環境の変化に適応できた種だけが、生き延びてきた。人類も同じように、新しい変化や現実に柔軟に適応できなければ死滅する。日本社会は世界的視野に立って、現実を冷静に見据え、原因をよく分析することによって、新しい対応方法を創造していかなくてはならない。


政治の世界でも、新しい現実に対応して今まで誰も考え付かなかったことを提案し、実行する「価値創造型人間」が求められているのだ。私はそういう政治家をめざしたい。それを排除するような狭い心の社会集団は、滅びていくことは間違いない。

厳しい時代に、皆様の幸福を祈りつつ。