2001年11月議会報告

10月5日 京都市長へ「平成14年度京都市予算編成に対する要望書」を提出。
(詳細は公明党京都市会ホームページをご参照下さい)

登壇者  竹内ゆずる

以下に私が行った主な質問主旨と京都市の答弁を掲載します。
● 11月26日
<総合企画局 京大と京都市立芸術大学との単位互換制度創設など>


Q.京都市は人口千人当たりの大学生比率が約100人という、日本で最高の「大学のまち」である。大学コンソーシアムでは、大学間の単位互換制度という画期的な仕組みを創設されたが、この利用状況はどうか。

A.府内の大学生数は、約175千人、市内では約137千人。単位互換制度の利用は、43大学、361科目に及ぶ。申込み数は、14,270人で、実際の受講者数は、10,049人。まずまず高い利用率と言えるのではないか。もちろん人気の高い科目と低いものとのバラツキはある。

Q.某大学の大学祭で大学生たちと懇談をしたところ、彼らはほとんど京都市の美術館や博物館、歴史資料館などを利用していないし、京都市が彼らのためにいかに素晴らしい制度を用意しているかも知らない。ぜひ大学生向けの広報宣伝を強化して欲しい。また、大学生対象のアンケートを行って、彼らのニーズを調査し、京都で学んでよかったと思われるサービスや制度を提案してもらいたい。私も今後具体的に提言していく。

A.大学生向けの広報宣伝の強化と、彼らのニーズの把握に努めたい。

● 11月27日
<総務局 更なる人件費削減など>

Q.このままでは来年度は▲580億円の財源不足となり、非常事態宣言が出されている。平成7年度から12年度の5年間で、1,246人を削減したが、今後5年間で▲1,000人の職員削減計画となっている。しかし、さらにこれを上回る削減が必要ではないか。また、人件費のうち、各種職員手当の精査を行い見直すことも行うべきだ。さらに、外部委託(アウトソーシング)も積極的に進めよ。

A.その方向で努力する。

Q.区役所の人員は多すぎるのではないか。またサービスが悪いとの批判が絶えない。適正配置と名札の着用などサービス向上に早く努めるべきだ。

A.ご指摘のとおりであり、改善につとめる。

Q.市職員の不祥事が多すぎる。懲戒処分は11年度110人、12年度128人、13年度は現在で72人である。しかも内容が悪質過ぎるものがある。当局の現世処罰と綱紀粛正を求める。

A.大いに反省している。再発防止に全力を尽くす。

Q.京都市立芸大と京都大学、京都工芸繊維大学の2国立大学との単位互換制度を創設してはどうか。知性と感性は密接な関係にあり、最近の脳生理学の研究によると、知性を扱う脳の部分を十分に発達させるためには、感性を扱う脳の部分とのつながりが重要であると言われている。是非検討すべきだ。

A.おもしろいご提案なので、西嶋総長以下大学へ持ち帰って検討させていただく。

● 11月28日
<理財局 財政非常事態への対策など>

Q.14年度財源不足に対する対策の中身について説明せよ。

A.全歳出に対する一律削減(マイナスシーリング)により150億円を、歳出入の精査により150億円を、さらに新たな対策により300億円を捻出しなければならない。これに加えて、市庁舎整備基金からの借り入れ113億円を実行しなければならない可能性もある。従って市庁舎建設の基金はゼロとなる。

Q.これほどの非常事態であれば、これはトップダウンで決定していくべきだ。また、市民に対する説明責任を果すためにも、「京都市版財政諮問会議」や「公営企業審議会」なども立ち上げる必要がある。

A.市政改革懇談会の中でもっとアピールしていく。

Q.システム開発やメンテナンス、またリースに関しても、京都の企業をもっと参入させるべきではないか。

A.WTO(世界自由貿易機構)の取り決めで、33百万円以上の契約については、一般競争入札が義務付けられている。リースについては、京都市内の業者を通して発注することになっており、ご主旨については努力している。

● 11月29日
<産業観光局 新産業創出など>

Q.大学と連携したベンチャー企業の創出が期待されているが、京都には大学が38もあり時代の流れとしては有望だ。京都市の「中小企業技術革新制度」は、大学とベンチャー企業との共同研究を支援するものであり、どんどん売り込んで頂きたい。

A.京都市の「中小企業技術革新制度」は、公明党の提案により創設したもので、時代を先取りした新産業創出策であると自負している。大いに活用していきたい。

Q.前京大総長で、総合技術会議委員の井村裕夫先生は、「国の各種研究所は東日本に集中している」と述べておられる。これから西日本特に京都に研究所群を設置する可能性があり、先生ともよく連携した方が良い。

A.そのとおりだ。

Q.上京区にある繊維試験場の跡地については、PFIやコンペなどを利用して、ベンチャー企業のインキュベーターとして再生すべきだ。

A.京都工芸繊維大学ともよく連携して、計画を立てたい。

● 11月30日
<文化市民局 京都まつりの見直しなど>

Q.「京都まつり」は毎年1億円もかけているのにマンネリ化している傾向があり、見直しする必要がある。「京都映画祭」は今年の助成作品「アイ・ラブ・フレンズ」は良かった。この企画は残すべき。しかし「芸術祭典・京」は隔年にするなど、今後よく内容を再検討すべきだ。

A.検討する。

Q.京都市交響楽団は全国の自治体で唯一のオーケストラであり、子ども達が本物に触れる機会をもっと増やすべきである。

A.その方向で企画する。

Q.二条城は、入場者数が著しく減少している。今後は市民に開かれたものとするために、例えば庭だけを見る場合は100円、本丸まで見る場合は600円というように二段階の入場料とすることも一案ではないか。

A.検討してみる。

● 12月3日
<教育委員会 理科教育の充実など>

Q.児童生徒の理科離れが進んでいる。自然科学の知識や知恵を抜きには、子どもを幸福に導くことは困難だ。これは社会全体にとっても不幸なことになる。まず第一に図書館の蔵書が人文・社会に偏重している。例えば湯川秀樹全集や寺田寅彦全集はすばらしい。最近の利根川進先生の本なども、一流の科学者がどのように学んできたかを知る上で参考になる。自然科学の図書選定にもっと意を払うべきだ。

A.今後よく検討して選定していきたい。

Q.小学生の時には理科好きだったが、中学生になると嫌いになる傾向がある。今後は、大学の優れた研究者による実験や講義、企業の最先端の技術教育などを取り入れ、理科の知識がいかに社会に役立つものであるかを教えていくことを検討して欲しい。

A.ご指摘の点を踏まえて、理科教育の充実に努めていきたい。

Q.学校が閉鎖社会ではなく、社会の多様な経験をもつ、人格識見とも優れた方々にボランティアとして学校教育に協力して頂くべきだ。地域のみならず社会全体で、学校を創っていくことが大切だ。教師は批判されることを恐れてはいけない。

A.ご指摘のとおりだ。

● 12月6日

Q.サンケイ新聞によると、平成12年度に発注された55件の道路改修工事をめぐり、舗装業者18社の談合疑惑が報道されている。京都市の調査を報告してもらいたい。

A.談合はなかったと判断している。

Q.これは最終的には公正取引委員会が解明することだ。今回の平均落札額は、予定価格の98.3%と異常値だ。京大の吉田教授は「公正な競争原理のもとでは、落札額は75%前後である」と述べている。昨年の公共工事485件の予定価格の総額365億円に対して、落札率を75%とした場合の差額は80億円にものぼる。市の財政事情を考えれば、早急な入札制度の見直しが必要だ。特に指名競争入札制度を根本的に考え直すべきだ。

A.検討する。